あはれとも見る人あらば思はなむ 月の面(おもて)に宿す心を

西行

私と同じように月を見ている人がいるなら、せめて哀れと思ってほしい。月にあの人の面影を、いつまでもとどめている私の心を。

特定の誰かを詠みながら、多くの鑑賞者に詠みかける歌。孤独の中で生きる西行の歌は、多くの人の共感を得ます。